いま注目の「ビタミンK」とは?
最近、ビタミンKのサプリ、やたら目につきませんか?
それもそのはず、今、ビタミンKが脚光を浴びているからなのです。
ネットショップでもNMNとビタミンKが大はやりです。
■ なぜ、ビタミンKがこれほどまでに注目を浴びているのか?
その理由は、ビタミンKの新しい働きがわかってきたからなのです。
特に認知症予防効果、抗老化効果が明らかになりつつあるからなのです。
特に認知症予防効果、抗老化効果が明らかになりつつあるからなのです。
■ 従来のビタミンKの働きは?
- 血液が固まるようにする
…肝臓でプロトロンビンやその他の凝固因子を活性化して血液の凝固を促進します。出血が止まらないと大変ですよね。
- 骨を強くする
…骨にあるタンパク質(オステオカルシン)を活性化し骨形成に関与する。骨粗しょう症の予防にはカルシウムやビタミンD、ビタミンC、プロテインだけでなくビタミンKも必須ですが、高齢者の多くはビタミンKが不足しているのではと話題になっています。 - 動脈硬化を防ぐ
…動脈へのカルシウム沈着を防ぐ効果が比較的最近明らかになったのですが、この働きも抗老化には役立ちますね。
■ 新しく見つかった働きとは?
- 脳内の炎症を抑えてくれる
…脳内にはビタミンKが大量に含まれていますが、なぜだかよくわかりませんでしたが…、ビタミンKが炎症反応を促進するNF-κBを有意に抑制することがわかってきて、認知症や神経変性疾患を防ぐ効果が期待されます。
- 膵臓を活性化する
…食後のインスリン分泌を促進し、食後の血糖値の上昇を抑えることがわかってきました。つまりビタミンKが耐糖能を高め、万病のもとである糖尿病を予防し、ひいては老化を抑えることが期待できます。 - テストステロンの分泌を促す
…男性ホルモンであるテストステロンの合成酵素の遺伝子発現がビタミンK濃度に依存することがわかってきました。テストステロンは性機能だけでなく、筋肉量や精神状態にも影響することがわかっていますので、筋肉量の保持(サルコペニアやフレイルの予防)、若さの保持、そしてうつの発症予防が期待できます。
…など、ビタミンKの新しい効果、抗炎症作用、抗老化作用がわかってきたんです。
老化≒慢性炎症ですから、ざくっと、抗老化作用と言っていいかもしれません。
■ 今までビタミンKは不足しないビタミンだと云われてきましたが・・・
ごく最近・・・
- 需要が思いのほか多かった
以前から多くの臓器(特に脳、膵臓、性腺)にもビタミンKが分布していて働きがよくわからなかった。 - 吸収率は思いのほか少なかった
吸収には胆汁酸が必要ですが、年齢とともに胆汁酸分泌が少なくなりますので、おのずと不足がちになります。 - 腸内細菌の産生が思いのほか少なかった
・・・が、次々と明らかになり、やはり栄養保険としてビタミンKも補っておくべきだと、最近注目を浴びているんです。
しかも過剰症の心配はゼロ(注1)。
・・・栄養保険で補う目安量は150μg/日ですが、45mg/日までは副作用の心配がないことがよくわかっています。
注1)ただし抗血栓薬であるビタミンK拮抗薬(ワルファリンなど)を飲んでいる人は、ビタミンKの摂取には注意が必要ですが(注意しなくてもいいという意見もありますが…)、最近の抗血栓薬の主流である『DOAC』(経口直接Xa阻害剤…イグザレルト、リクシアナなど)を飲んでいる場合は問題ありません。