“いいものばかり”の原点

“いいものばかり”の原点

私が(医者として)“いいもの”を勧める理由

私たち医療者は、いい医療を提供することはもちろんですが、今までに得た経験や知見を活かして本当に体や心にいいものを見極め、それを勧めれば、社会に貢献できると同時に、私たちの恰好で正当なビジネスチャンスにもなると常々考えていました。

最近の健康志向を象徴するように、世間には、健康本をはじめ、健康食品、サプリメント・・・その他さまざまな健康グッズが、選ぶのに戸惑うほど、おびただしい数の“もの”が氾濫しています。あまりにものがあふれすぎていて、どれが本当に体や心にいいものなのか、なかなか見分けにくくなっています。

そんな中、元気で長生きを望む多くの人が知りたいのが、「どれが本当にいいもの?」の答えではないでしょうか。

どれどれ・・・? 私も期待しながら興味深く、読んだり、試したり、疑問があれば業者に問い合わせたり・・・10年以上も本当にいいものを探し続けていますが、思いのほか、いいものの少なさに驚きます。本当にいいものは、残念ながら有名になることができなくて、あまり市場には出まわらないのかもしれません。

たとえば健康本、いい本もごくまれに見つかることもあるのですが、ほとんど売れていません。理由はおそらくリアルすぎて内容が地味なのだと思います。真実は案外、地味な姿をしているのかもしれませんが、少なくとも“極端”の中には、真実はなさそうです。
一方の健康本ベストセラーは、タイトルも刺激的で、極端なことが書いてあるので、読み物としては面白いかもしれません。しかし実際にはほとんど役に立ちません。なぜならほんの一部の人に当てはまるかもしれないけれど、多くの人にはあてはまらない内容だからです。あてはまらないだけならまだしも、人によれば健康を損ねる可能性もあります。

サプリメントの類もしかり。トクホも含め、有名なもののほとんどが、本当に効果があるのかはなはだ疑問です。百歩譲ったとして、価格に見合うだけのものはほとんど見当たりません。それどころかかえって健康を損ねてしまうものも少なくありません。

私はたまたま、メディアで大々的に宣伝しているサプリメントを愛用している人たちを診る機会も多いのですが、肝機能が低下している人たちが意外に多いのに驚きます。ただちにやめるようにアドバイスすると、すみやかに肝機能が改善してくるのをみると、長年飲み続けているサプリメントが肝機能低下の原因であることは明らかです。

本当に体と心にいいものにこだわってものを作ると、ものはなかなか売れないのかもしれません。

それならいっそ、たとえビジネスの規模は小さくてもいいから、自分たちが納得のいく、いいもの作ってやろうじゃないかということに・・・なり、これこそが“いいものばかり”の原点であり出発点なのです。

まずは私の伝えたいことをわかりやすく文字にすることからはじめました。つまり、最適な書籍が市場になかったので、自分で本を書きました。タイトルも迫力不足で、内容も真実ですので極端な内容とはなりえず、したがってベストセラーになることもありません。しかしできるだけわかりやすく、本音を貫いて述べていますので、誇張もなく、受けねらいもなく、バランスの取れた内容となっているはずです。一連の書籍を真摯にみれば、誰にとっても健康長寿の役に立つと自負しています。

そしてサプリメントですが、世間の期待は大きいにも関わらず、市場にいいものはほとんどありません。ただ私は、特殊な効果効能をうたう(ベースサプリメント以外の)サプリメントにはあまり必要性を感じません。その理由は、薬がそうであるように、日頃飲みなれないものを長期にわたり飲み続けると、いずれ心身に不具合をきたす可能性が高く、長期にわたり飲み続けると、肝心の効果効能よりも副作用が前面にでてしまうと考えるからです。

もちろん栄養はしっかりと確保しなくてはいけませんので栄養素を補うベースサプリメントはしっかりと摂る必要があります。ベースサプリメントは、ビタミン、ミネラル、DHA、EPA、そして有用微生物の発酵成分など、私たちがふだん、野菜、果物、海藻、きのこ、魚介類、発酵食などから摂っている栄養素をコンパクトにしたものです。栄養は本来、すべて食事から摂るべきなのでしょうが、今や、食事だけで栄養素を確保することはほぼ不可能です。しかも、ベースサプリメントは、他のサプリメントと違って、食べなれた食材に含まれる栄養素ばかりですので、基本的には肝機能を損ねたり、心身の不具合をきたしたりするおそれもありません。
ところが、このベースサプリメントも例外にもれず、市場にいいものがなく、一念発起して自分たちで作るしかありませんでした。誰に取っても、少なすぎず、多すぎず、うまく配合のバランスを考える必要があり、しかも素材にもこだわらなくてはいけません。ここは多くの知見と経験を持った私たち(私だけでなく他のスタッフたちの智慧も拝借)が本領を発揮するいいチャンスにもなり、納得のいくいいものを作ることができました。
もちろん、私たちが作った、本やベースサプリメントがベストと言うつもりはありません。ただ、常にベターをアップデートし続けることに意味があり、そこに私たちの存在価値があると考えています。

私はこれからも賛同する仲間と一緒に、書籍、DVD、ベースサプリメント、その他健康にまつわるグッズ(日用品)など、あまり有名ではないが本当にいいものを地道に探しながら、無いものは自ら作りながら、地味にタフに、“いいもの”を、提供し続けていきたいと考えています。

引き続き“いいものばかり”をごひいきいただければ・・・、医療者冥利にもつきます。

(文責:岡本裕)