ビタミンCについて

皆さんはTVや色々なCMでもよく耳にするビタミンCにどんなイメージをお持ちですか?

美肌効果?風邪予防?抗がん作用?とよく言われていることですよね?

そんなどころでは、ありません!!
知れば知るほど、びっくりポンのビタミンCの驚くべきパワーをお伝えします。

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≪ビタミンCってどんな栄養素?≫

ビタミンCの別名は、アスコルビン酸と言われる水溶性ビタミンです。ほとんどの動物は体内で作る事ができますが、人にはその能力がありません。
だから食事からしか摂取できないのです。

 


≪なぜ人にはビタミンCを作れないのでしょうか?≫

圧倒的に大多数の哺乳類・鳥類・爬虫類は肝臓か腎臓でビタミンCを作ることができます。

しかし、人や霊長類は作ることができません。

これは一つの仮説ですが、2500万年前の地球は温暖期でビタミンCを豊富に含む植物が繁栄していました。
そのためか人および霊長類の祖先は、ビタミンC生産能力が低下していったのです。
そして、ビタミンCを産生するのに必要な最終酵素L-グロノ-γ-ラクトンオキシターゼを欠損する突然変異を起こしたと推測されています。

その結果、子孫はビタミンCを作る機能を働かせる負担がなくなりました。
すると生存上で有利となり、少量のビタミンCで生命が維持でき欠乏症を回避できる様になったのです。

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しかし、その少量のビタミンCさえ補えないと、心臓疾患・高血圧症・脳卒中・および
アテローム性動脈硬化症
などだけでなく、ガンを含む循環器疾患も可能性があります。
ビタミンCをしっかり補うことは、これらの疾患を減らすことにもなるのです。

≪ビタミンCの働き≫

欧州委員会などに科学的助言を行う欧州食品安全期間(EFSA)によると、ビタミンCの明確な健康上の利点は
  ・コラーゲンを生成する  ・老化を防ぐ
  ・風邪をひきにくい体質にする
  ・抗酸化作用により生活習慣病を防ぐ
  ・発ガン物質であるニトロソアミンの生成を抑える
  ・免疫力を高める
  ・ストレスに強くなる
  ・美白効果

 

≪ビタミンCの摂取量≫

では、どの程度摂取すれば、ビタミンCは効果的に働いてくれるのでしょうか?
ビタミンCの最低必要量は、男女とも一日100mg程度です。

しかし、ビタミンCはストレスや強い感情の起伏があると一瞬にして消失すると言われています。では、皆さんの生活にはストレスはありませんか?怒ることもありませんか?
大方の方は、ある程度あるのではないでしょうか?
したがって、最低必要量程度では不足傾向にあるのです。

≪健康で過ごすための摂取量≫

ビタミンCは、身体に蓄積する事ができず、消化吸収の過程でのロスも多く排泄されやすいのです。そのため常に補給する必要があり、食事だけは健康で過ごすための量を摂取できないことになります。

医療法人社団 丹伎会 丹羽クリニック院長 丹羽正幸先生によると
・健康で過ごすための量・・・800mg以上
・美しくなるための量・・・1000mg以上
・病気を治すための量・・・症状による

ビタミンCの摂取上限は基本的にありません。
*過剰摂取による副作用は、
「10000mgの摂取でごくまれに下痢」「空腹時に2000mgの摂取でごくまれに吐き気」が報告されています。

≪ビタミンCの吸収率と摂取タイミング≫

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ビタミンC
は、摂るタイミングや1回の摂取量によって吸収率が異なります。
ビタミンC 1000mgの腸管からの吸収率は
空腹時の摂取の場合:20-50%(平均34%)、食後の摂取では:45-60%(平均52%)
一度の摂取量と吸収率の関係は
100mg摂取   吸収率80-90% 吸収量80?90mg
1000mg摂取   吸収率74.9%   吸収量749mg
2000mg摂取  吸収率39.1%  吸収量1172mg
4000mg摂取  吸収率27.5%  吸収量1099mg

したがってビタミンCは、食後に摂取する方がより効率的であり、一日に何回かに分けて食べる方がより吸収できることになります。

≪しっかりビタミンCを摂るために≫

ビタミンCの最低必要量は100mg/日ですが1000-2000mg/日が望ましいと思われます。
また1度の摂取量と吸収率により1回の摂取量は1000mgまでが良いでしょう。

この条件から推測すれば、日常の食事では到底補えない事がわかります。
*平成16年9月14日夕刊フジ記事に日本食品標準成分表の一部が掲載されています。
ビタミンCの変化(1950年と2004年の100g当り)
小松菜90⇒⇒39mg(1/2弱) ほうれん草150⇒⇒35mg(1/5弱)
とても食事だけではビタミンCは補えない事がわかります。

そこで利用してほしいのがサプリメントなのです。
特に、健康増進に繋がるような栄養素を多く含むマルチビタミンミネラルです。
例えば今回のテーマの「ビタミンC」ならば1000mg/日を含んでいる良質な製品です。

なぜマルチビタミンミネラルを薦める理由は、ビタミンCだけのサプリメントにすると1日に摂取するビタミン全体のバランスを考えるとあまり好ましくないからです。

ところで水溶性ビタミンCの特徴として3-4時間で排泄されることです。
これでは、持続的にビタミンCの働きを維持することは難しいと考えます。

天然のものは水溶性なのですが、合成タイプに脂溶性ビタミンCがあります。
この脂溶性ビタミンCは、ビタミンCをパルミチン酸という飽和脂肪酸に結合させたビタミンC誘導体です。

このビタミンC誘導体は、水溶性ビタミンCと同じ働きがあります。
しかし水溶性に比べ脂溶性のビタミンCの利点は、体内での滞在時間が長いことです。
脂溶性ビタミンCは、約48時間持続的に機能します。また、吸収率や摂取量に関しては水溶性と同じです。

したがって、食事にマルチビタミンミネラルと脂溶性ビタミンCを摂取される方が健康的な生活ができる一つの方法と思われます。

多くの方が健康で素敵な毎日を過ごされることを願っています。

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参考・引用文献 
三羽 信比彦著 ビタミンCの知られざる働き 丸善株式会社

久野マインズタワークリニック院長 久野則一監修
にんげんは なにで できているの? 発行 ライフサイエンス研究所

「食品成分表 増補版(五訂増補 日本食品標準成分表 準拠)」
新しい食生活を考える会 編著 発行 (株)大修館書店

「日本臨床栄養協会 サプリメントアドバイザー必携 第3版増補」
編集 日本サプリメントアドバイザー認定機構  発行 (株)薬事日報社

ビタミンの全てとその本質の徹底解明
NUTRI-FACTS http://www.nutri-facts.org/

医療法人社団 丹伎会 丹羽クリニック http://www.niwa-clinic.com/


文責:サプリメントアドバイザー 加藤 晴之