1972年にイギリスの医師バーキット博士が、アフリカの農民とイギリス人の学生の便の滞留時間とがんの発症との関連を研究した「食物繊維とガンの関係性」の報告があります。
その報告では、イギリス人の便の滞留時間が73時間とアフリカ人の農民の約2倍もあったという。これほど長時間、便が大腸にあると、便は腸内で悪玉菌(バランスかく乱菌)によって腐敗し、発がん物質や人体に有害な物質を大量に発生させ、さらに発がん促進物質の二次胆汁酸が長く大腸に留まることになります。
両者の違いは、摂取していた食物繊維量にあることが判っており、アフリカ人の農民は食物繊維を1日に60~80gも摂っていたことが判りました。
日本人の食物繊維摂取量
2013年の国民健康・栄養調査によると食物繊維の摂取量は、平均で1日14.2gしか摂れておらず、年々減少傾向にあり、若い世代では1日平均摂取量12g程度と特に少なくなっています。
※「日本人の食事摂取基準(2015年版)」で定められた目標量は、成人男性で1日20g以上、成人女性で1日18g以上。
参考:からだと食べ物-特別企画 デニス・Pバーキット博士に聞く 食物繊維の効用はここまで解明された!辻啓介(国立栄養研究所栄養資源開発室) | 古川タク | デニス・Pバーキット (昭和55年 46巻 7号 p109)
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